■最近の携帯電話を見ていると、なんだか本来の電話機能以外にいろんな付加機能が付いて来始めましたね。NTT DoCoMoのi-modeに代表されるインターネットと連携したメール機能、個人売買用掲示板、伝言板やチャット、ゲームに占い、果 ては玄関の鍵の開錠まで出来るような研究が進んでいるとか。ようするに、形は電話だけど中身はパソコンと変わらなくなるだけの話しに思える。

こうした付加機能の向上と関係があるのかどうかは定かではないが、昨今は携帯電話絡みのトラブルが非常に目に付くようになった。


例えば、あるテキストをクリックすると110番に電話をかけてしまうようなイタズラページ、ショートメールを使ったチェーンメールやイタズラメール、i-modeの出会いの掲示板への個人情報の不正投稿、そしてついには携帯電話用のウィルスまで登場しました。

先月末に、最新型cdmaOne携帯電話に、文字入力時に一定の条件で漢字変換を行うと、電話番号のメモリなどが消えてしまいキー操作ができなくなる不具合が発生したが、この時もWEB110には「ネットストーカーによる攻撃ではないか?」という不安を持った方から相談がありました。「au」では8月25日に利用者からの通報で不具合を把握、9月5日に購入者に対し不具合の内容と対処方法を説明するDMの発送を始めたというが、情報開示が遅れると、ユーザーに不要な不安を抱かせる原因になるのです。

「いたずら110番通報」は、iモードの「Phone to」機能を悪用したもので、電子メールなどに「110」を隠して埋め込んでおき、メールの受信者がクリックすると自動的に電話がかかるようにするもの。この作者である20歳の専門学校生は、8月21日に偽計業務妨害容疑で逮捕されている。

「iモード」の個人売買用掲示板において、人気バンドのコンサートチケットの販売を装い現金をだまし取った無職の男性(23)も9月4日に詐欺の疑いで逮捕されている。詐欺はインターネットオークションだけではなくなってきたのだ。

「iモード」の電子掲示板に、以前交際していた女性を中傷する言葉を書き込んだ東京都の高校3年の男子生徒(17)も9月4日に名誉毀損容疑で東京地検に書類送検されている。これはWEB110に寄せられる相談の中でも一番対処に苦慮する問題だ。

チェーンメールにおいては、「NTTドコモ九州からのお知らせ」を装ったものが新しい。「このメールを友人5人に転送すれば通 話料金を割り引きます」という内容で、本物のドコモ九州のiモードホームページのアドレスと同社コールセンターのフリーダイヤル電話番号、さらに広報部の架空の人名まで記載されていた。犯人はまだ逮捕されていない。

また、携帯電話の転送サービスとコレクトコールを組み合わせ、通話料をだまし取る事件も後を絶たない。8月には、これを行っていた無職の男性(24)が不正アクセス禁止法違反と詐欺の疑いで逮捕されているが、この方法による「NTTドコモ」グループでの被害総額は計1000万円以上に上るという。

こうしてみてみると、それぞれの携帯電話の付加サービスが何らかの形で悪用されて被害を生んでいることが分かる。確かに容疑者は続々と逮捕されているが、それは氷山の一角に過ぎないであろう。確かに、新サービスによるメリットがあることは事実だろうけど、果たして携帯電話にそこまでの機能が必要なんだろうか?「玄関の鍵の開錠」なんてとんでもないと思うのは私だけだろうか?

こういう被害にあった人は必ずしもパソコンやインターネットユーザーではないので、ますます技術面 での知識が乏しく、どう対処して良いのかわからないという結果になる。まして被害者の全てがこれら付加サービスの利用者であるわけではないのだ。私なんて未だにショートメールすら使ったことない。

巷ではモトローラ社製の携帯電話が異常な人気で常に予約待ちだとか。この機種は、電話機能以外に一切の付加機能を持たないシンプル設計だそうです。この現象が何を表しているのか…。

携帯電話のキャリアさん達に言いたい。「販売競争も分からなくはないが、責任のとれない付加機能は迷惑だ。電話機本来の機能向上に徹して欲しい。」