車を運転するためには運転免許を取得することが義務づけられています。それは交通 規則や車の構造を教えることで安全運転と事故の軽減を図るためです。インターネットという社会に乗り出すのも、同じことがいえるかも知れませんが、幸か不幸かインターネットには運転免許というものはなく、初心者には様々な危険が付きまとっています。自己防衛という点で技術を学ぶことはもちろん重要ですが、人に迷惑をかけないと言う点で学ぶべき事があるのではないでしょうか? それは「モラル」と「ルール」です。


最近は学校で積極的にインターネットの利用を促している影響もあり、若年齢層の技術知識は親を上回っているようです。しかし多発するネット上の中傷問題やコミュニケーション上のトラブルは、技術先行でモラル不足の若者の間で多く発生しているように感じます。相手の顔が見えない分、掲示板への書き込みが乱暴な言葉になって、相手を傷つけることもあれば、匿名だからと言う理由でむやみに他人を中傷するようなこともあります。 たとえ親がインターネットの初心者でも、「モラル」と「ルール」を教えることはできるはずです。ネット社会はヴァーチャルでもゲームでもありません。すべて実社会と同じ現実です。ネット上で安易に他人のプライバシーを公開したり中傷した者が次々に逮捕されています。子供が加害者にならないように注意し、「モラル」と「ルール」を教えるのは親の努めだと思います。

インターネットでのコミュニケーションの中心は、現在のところ「掲示板」「チャット」「電子メール」の3つでしょう。中でも「電子メール」というのはアドレスさえ分かれば誰にでも送れる通 信手段であるだけに「ルール」を守ることが重要になります。「ルール」といっても通 信技術的な話しではありません。例えばこんなことです…..

<困ったメール事例集>
WEB110のウェブマスターとして毎日大量のメールを受け取る立場から、よくあるいくつかの困ったメールの事例を紹介します。

1.件名のないメール
読むべきか、読まざるべきか困ります。ほんの少数の仲間内でのメールのやり取りならいざしらず、メジャーなサイトのウェブマスターともなると多数の相手とメールのやり取りをしています。受信する度に数十件単位 の新着メッセージある中で、どのメッセージから読むかは「件名」で判断します。件名のないメールはあやしげで、開くのもためらわれますが、なにより、本文を読まないことには要件が分からないと言うのは困ったものです。要件が想像できるような簡潔な件名を付けるように心がけましょう。

2.前回のメールを引用しないもの
いきなり、「このまえの続きなのですが…」と書かれても、何のことだかわからなくて困ってしまうことがあります。これは、私だけでなく、他のウェブマスターやカスタマーサポートなどでも同じでしょう。不特定多数のユーザーから様々な内容のメールを受ける立場の人は、誰とどういう内容の話しをしたのか覚えきれないものです。継続したメールのやり取りの際は、「件名」は統一し、前回までの会話の内容を一部引用してくれると助かります。発信者にとっては、1対1のコミュニケーションかもしれませんが、一人でいろいろな方の相手をされている方がたくさんいることを忘れないでください。

3.意味不明のメール
メッセージの内容は、なにも名文である必要はありません。が、質問や相談をするときには「時系列」にそって、5W1Hに従い簡潔に説明していただけると、理解がしやすく助かります。5W1Hとは、WHO(誰が)WHEN(いつ)WHERE(どこで)WHAT(何を)HOW(どのように)、WANT(どうして欲しい)と言う意味です。何かの被害に対して、つらつらと自分の感情や講じた措置について書きつづって、そのまま文章が終わっているような、何を求めているのかわからなくて困るメッセージも届きますが、せめて「どうしてほしいのか」を書いてくれないと対処のしようがないわけです。

4.FAQ(よくある質問と回答)や問い合わせ手順を読もう
多くのサイトには「FAQ」や「問い合わせ手順」に関するページがあります。これは重複した問い合わせを減らし、返信作業の負荷軽減のために用意されたものです。しかし、これを読んでいないとしか思えない質問や相談がよく届きます。そういう自己中心的な問い合わせに対して「FAQをご覧下さい」と返信するだけでも相手に余計な負担をかけることになります。また、回線やディスク容量 という資源も無駄にしていることも忘れないでください。